モデルとして活躍するためには、オーディションに挑戦しなければなりません。
多くのオーディションには最初に書類選考があります。
書類の形態、応募方法はさまざまですが、その書類には、必ずといっていいほど志望動機と自己PRを記入する欄があります。
志望動機と自己PRは、自分らしさを審査員に伝えるとても大切な項目です。
とはいっても、いざ記入を始めると、
「志望動機をどう表現したらいいの?」
「自己PRは、どう伝えたら理解してもらえるの?」
と悩んでしまいますね。
そこで今回は、応募書類の記入で悩んでいる方に向け
・審査員の心を動かす志望動機の書き方
・自分自身を理解してもらう為の自己PRの書き方
を詳しく説明します。この事をおさえて合格への第一歩を手に入れましょう。
目次
モデルオーディションの内容をよく確認しよう
ひとくちにモデルといっても、活躍する場によりさまざまな種類があります。
モデル事務所などに所属しプロとして仕事をしている専属モデルの他、学生やOLをしながら空いた時間に撮影などを行う読者モデルや、広告を中心に活躍する広告モデルなどがあります。
モデルとして仕事をするためには、事務所に所属するのが一般的です。ですから、事務所に所属するためのオーディションにチャレンジしなければなりません。
オーディションには、大手モデル事務所や雑誌の企画など色々ありますが、求められている人材や個性もさまざまです。
そこでオーディションを受ける時には、どんな企業が関りどんな目的で企画されたものなのかをよく確認することが大切です。
そして、その企業や事務所が求めている内容にそって応募書類を作成する必要があります。せっかく苦労して立派な書類を作っても、方向性が違っていては台なしです。
また、応募方法もさまざまで履歴書を郵送する場合やWebサイト上からダウンロードして送信するものなどがありますので間違えないようにしましょう。
混乱しがちな志望動機と自己PR
では、さっそく志望動機と自己PRの書き方について説明しようと思いますが、その前に志望動機と自己PRは、混合しがちなので違いをしっかり理解しておきましょう。
志望動機は、『どうしてこのオーディションを受けようと思っているのか。』
自己PRは、『自分自身の性格や個性、長所や特技などをアピールする。』
ですので、志望動機には、このオーディションに応募した理由のみを記入することに気を付けましょう。
下書きする時に混合しない方法として、自分の中で伝えたいことをメモに書き出し、それぞれ志望動機に入るもの、自己PRに入るものを振り分けると間違わずに書けるでしょう。
モデルオーディションでの志望動機の書き方
では、志望動機の書き方について詳しく見てみましょう。
自分は何故このオーディションを受けるのかをしっかり記入する必要があります。
志望動機を書く時の5つのポイント
1、モデルを目指した理由やきっかけ
2、多数のオーディションがある中からここを選んだ理由
3、合格するためにしている努力
4、合格したら自分はどんなことができるのか
5、分かりやすい言葉でまとめて書く
モデルを目指す動機は人それぞれ様々ですが、この5つのポイントをひとつずつ整理して書き出してみましょう。
1、モデルを目指した理由ときっかけ
長く書く必要はありません。実際にどうしてモデルになろうと決めたのか、モデルになろうと決めたきっかけはあったのか、など具体的に書くといいでしょう。
ここで、そのことがきっかけでどんな気持ちになったのか、モデルになりたい熱い気持ちを表現するといいでしょう。
モデルは、憧れの華やかな仕事ですが、その裏にはかなり辛く厳しい現実があり、プロの皆さんは多大な努力をされています。
ですから、このオーディションを受けることへの本気度をアピールする必要があります。
2、このオーディションを選んだ理由
数多くのオーディションがある中、なぜこのオーディションを選んだのか簡単に記入するといいでしょう。
こだわってこのオーディションに決めているのであれば、その気持ちをそのまま書くことで、相手に強い思いを伝えることができるでしょう。
ですが、正直合格できるならどこでもいいと、特にこだわりのない場合は、応募するオーディションの特徴や関わっている企業や経歴、オーディションの目的などを確認し、その中で魅力に感じることを挙げるといいでしょう。
その他に、これまで挑戦したオーディションなどをあげるのも、審査員に関心を与えることもあるようです。
3、モデルになるために努力してきた事
モデルになりたい理由やこのオーディションを選んだ理由が、あまりに大きな目標だったり、達成できそうにないと思われてしまっては逆効果です。
そこで、その目標を現実のものにするために、これまでしてきた努力を書き加えるといいでしょう。
分かりやすく簡単に事実だけ、やってきた事だけを記入しましょう。
例えば、「○○を週に○回している。」 「○歳から○○を○年間習っている。」など簡単に記入します。
ここで自分をよりアピールしたくて嘘を書いてはいけませんし、大げさに書いてもよくありません。
また今、特に何もしていない場合は、無理に書く必要はありません。
4、合格した後のビジョン
オーディションの内容に合わせて、もし合格することができたら、自分はどんな形で企業に貢献し、自分の持っている能力を具体的に発揮できる場面などを書くといいでしょう。
そうすることで、審査員に興味を示してもらえるはずです。
例えば、『もしオーディションに合格することができたら、自分は○○なことができるので、それをこの企画に生かして、特に○○な部分を頑張りたい。』と書くのもいいでしょう。
5、分かりやすい言葉でまとめて書く
最初に説明したように、自分が伝えたいことを思うままにメモ用紙にどんどん書き出してみましょう。
メモは、きれいに書く必要はありません。モデルになりたい熱い気持ちを紙にどんどん吐き出します。
次に、志望動機と自己PRの違いに従いそれぞれ振り分けます。
その志望動機に集まったメモを元に文章を仕上げていくといいでしょう。
最後に、志望動機の5つのポイントがきちんと書かれているか確認してみましょう。
文字数の制限がなければ、だいたい枠に収まる程度が理想です。
一般的に文字数は150前後が望ましいようで、長くても300字以下にまとめましょう。長文は読む意欲を阻害する恐れがあるので注意が必要です。
モデルオーディションでの自己PRの書き方
では次に、自己PRを書いてみましょう。
自己PRも志望動機と同様に、審査にはとても重要な項目です。
自分はどんな人なのか、相手にしっかり伝え自分を売り込む必要があります。
また書式によっては、自己PRを書く欄の他に、特技や趣味という欄があることがありますので、その時は分けて書かなければなりません。
自慢できる特技や趣味は、簡単に分かりやすく、年数、期間、年齢など具体的な数字も入れて書くといいでしょう。
例えば、「〇年間○○を習っていたので人には負けない自信があります。」や「○○部に所属し○年間○○を行い、〇賞を受賞しました。」
など、受賞歴や大会出場経験などもあれば記入しましょう。
あれこれ欲張って考えると分かりずらい文章になりがちですし、自分でも書いていて混乱します。
1番相手に伝えたいことを1つか2つに絞って書くといいでしょう。
自己PRを書く時の4つのポイント
1、魅力となるスタイルや自慢の身体をとにかくアピールする
2、強い精神力や独自のキャラクターを具体的に書く
3、人からよく言われることなど、人から見た自分を書く
4、審査員の気持ちになって考える
この4つのポイントを整理して書いてみましょう。
1、魅力となるスタイルや自慢の身体をとにかくアピールする
モデルになるためには、やはり長身やすらりと長い手足、バランスの取れたスタイルは、かなりの売りになります。
そこで、身体面で自慢できるところがあれば、多少大げさにアピールしてもいいでしょう。
遺伝的な面に左右されることなので、モデルとして武器になる事は記入しない手はありません。
ファッションモデルでは、身長170㎝以上なければ厳しいといいますから、それ以上の方は是非アピールしてください。
また、スタイルはもちろんですが、はっきりした顔立ちも好まれ、インパクトが強いことが必要とされますので、個性を前面に記入するといいでしょう。
2、強い精神力や独自のキャラクターを具体的に書く
モデルオーディションには、たくさんのライバルがいますし、モデルになっても仕事をとるために、常にライバルとの戦いです。
ですから、ライバルに打ち勝てる強さと挫折に負けない精神力を書くことで審査員の目に止まる可能性があります。
なので、精神的に辛いできごとを乗り越えた経験のある場合は、それを書くといいでしょう。
その場合、「明るい性格なのでメンタルは強いです。」「何事もポジティブな性格なのでつらくても乗り越えます。」だけでは伝わりません。
何故そう言えるのか具体的に、「~な出来事があったけれど、○○なことをして乗り越えました。」「~な辛いことがあったが、○○な努力をして強くなれました。」と一歩踏み込んで記入しましょう。
このように、その時に起こったエピソードやハプニングなどを合わせて書くと信憑性があり印象的になります。
3、人からよく言われることなど、人から見た自分を書く
特技や趣味、性格や長所をどんなに考えても、自慢できることが思いつかない場合はどうしたらいいでしょう。
多くの方は自分の持っている魅力に気が付いていないことも多いです。
このように自分のことが分からない時は、まず人からよく言われることを思い出してみましょう。
「○○ちゃんは、いっつも笑ってるね。」「○○ちゃんは、優しいね。」「○○ちゃんは、強いね。」など、何気なく言われていることがあると思います。
そこからモデルとして売りになる個性やスキルを膨らませてみましょう。
それでも分からない時は、家族や友達に聞いてみてください。きっと、あなたの個性が見つかるはずです。
文字数は、志望動機と同様長く書く必要はありません。150字前後~長くても300字以下にまとめるといいでしょう。
4、審査員の気持ちになって考える
審査員の状況を少し思い浮かべてみましょう。
貴方の書類を手に取る前に、数多くの束の書類を見ているはずです。
その中から目にとめてもらうためには、どこにでもある文章では読む意欲を阻害してしまいます。オリジナルで「モデルの可能性あるかも」と思わせることが大切です。
難しい言葉を使うことよりも、自分が考えた言葉をそのまま書く方が自分らしさが伝わります。
モデルオーディションでの自己PRの注意点
自分では具体的に上手く書けているつもりでも、モデルとしての魅力なども含めて相手に伝わらない文章になっていることがあります。
ダメな例
「私は、何事にも積極的に取り組み、周りの状況をみて判断することができ協調性があります。」
「私は、何事も諦めない自信があります。また誰にも負けない向上心があります。」
いい例
「私は、今まで演劇部に所属し何度も舞台に立ち、○○な役や○○な役を演じ、○○の時は観客から絶賛されました。部活では副部長をしていました。ですから、モデルとして堂々と人前に立つ自信があります。」
「私は、ヨガにはまり○年間、朝夕ヨガを欠かさずすることで体の内外を鍛え、精神面も強くなり、親が救急車で運ばれた時も冷静に対処することができました。」
「私は、○○を○年通っていました。そして、○○大会では優勝、また○○大会では○○賞を受賞しました。ですから、○○する自信があります」
このように、あなたが得意と思うことを1つ頭に思い描き、その時経験した事実をモデルとして役立つ事と結び付けて具体的に書き出してみましょう。
積極的、協調性、向上心など抽象的な言い方だけでは気持ちは伝わりません。
できることとできないことをよく考えて、できることだけを自信を持って書いてください。
モデルオーディションでの自己PRの例文
いくつか例文をあげておきますので参考にしてください。例文は、あくまでも参考資料ですので、丸写しなどせず自分のオリジナルの文章を作ってください。
自分の文章で書かなければ、審査員にあなたの良さや熱意は伝わりません。
例文
私は、親から神経質な性格と言われます。小さなことにこだわりが強く整理整頓するのが癖になっています。洋服などのこだわりも強くコーディネイトにはいつも気をつかっています。先日も購入した洋服のボタンの色が気に入らず、新たにボタンを購入し交換しました。ボタン付けなどの簡単な手芸などの作業も得意です。ですから、モデルになった時には、こだわりを持って独自の仕事ができる自信があります。
私は、○歳の時から○○年間スイミングスクールに通っていたので水泳には自信があります。例えばクロールは○○m○秒の記録があり○○大会では優勝をしました。○○大会の時には、体調を崩し熱があったのですが、リレー競技だったので一緒に練習してきた仲間の気持ちを考えるとどうしても諦めきれず体調不良を隠して出場し○位を取りました。諦めない根性と病気に負けない体力は、厳しいモデルの世界で役に立てる自信があります。
○歳からバレエ教室に通っていたのでバレエは自信があります。また、バレエの発表会では○○役を演じた経験があり表現力にも自信があります。○○大会では○○賞を受賞しました。舞台の練習では、練習のし過ぎで足の爪が剥がれることが何度もありましたが、本番では痛みを忘れるほど演技に集中し楽しむことができました。バレエで得た引き締まった体系や姿勢はモデルにも生かすことができます。
私は、とても明るく何事も前向きに考える性格です。これまで家族やクラスのムードメーカーとして○年生ではクラス代表、○年生では学年代表などをして人気ものでした。学校祭では、舞台で主人公を演じ笑いと感動で盛り上がりました。ある時、家で父が病気になった時も、とても不安でしたが歌を唄ったり、料理など母の手伝いをして常に笑顔を忘れませんでした。ですから、辛いことがあっても笑顔で乗り越える自信があります。
私は、内向的な性格で友達からは真面目な人と言われます。自分で決めた事は最後までやり遂げないと気が済まず、つい無理をしてしまう事もあります。中学では○○部に所属し3年生では部長を務めました。大きな大会に出場することはできませんでしたが、最後まで仲間と一緒に頑張ってきたことは体力はもちろん精神面も鍛えられました。ですので、生真面目な所や最後までやり通す性格と部活での経験は、厳しいモデル業界での体作りや体重コントロールなど様々な面で生かせる自信があります。
ほんの一例をあげましたが、具体的な書き方を少しは分かっていただけたでしょうか。
あまり難しく考えず、実際のエピソードを加えることでオリジナリティーを出せるでしょう。
志望動機と自己PRを書き終えたら
最後に、自分が書いたものを見直しもう一度確認しておきましょう。
・ネガティブな表現になっていないか
・ネガティブなことであってもそれを乗り越えた経験など前向きな表現になっているか
・「~だと思います。」「~かもしれません」など曖昧な言葉になっていないか。
・抽象的な表現になっていないか(分かりやすい言葉で具体的に)
・嘘や大げさな表現になっていないか
誰かと同じ得意なことでも、伝え方によっては審査員の心を動かすことができるので、他の人と違う書き方やプラスαを考えましょう
また、オーディションを複数受ける時でも、志望動機をそのまま使いまわすのはよくありません。そのオーディションの目的にあった内容に合わせて変えることで、合格の可能性もアップするでしょう。
まとめ
合格するための志望動機と自己PRの書き方を紹介しました。
内容に関しては、人の考えやサイトにより多少違いがあり、ここを参考にして書いたら必ず合格できるというものは残念ながらありません。ですので、自分にあったものを参考にすると書きやすいでしょう。
いくつか例文も紹介しましたが、自分の言葉で自分だけの文章を書くことが合格に繋がりますので、是非頑張ってオリジナルのものを書いてください。
審査員に「会ってみたい」「話を聞きたい」と思わせることができれば合格へ一歩近づけるはずです。