「上手に歌えないから友達とカラオケに行くのが億劫」
「高い声や低い声が出せるようになりたい」
「頑張りすぎて声が裏返ってしまう」
このような悩みを持っている人は結構いると思います。実際に私も学生の頃、上手く歌えないからと友達とカラオケに行くのが億劫でした。
しかし歌が上達するキーポイントである発声練習をこなせば誰でもカラオケで高得点を取ることが出来ます。
発声練習と聞くとボイストレーニングに通ったりカラオケなどの防音設備が整っている場所で練習するものと思っている人が多いと思いますが自宅でも簡単に発声練習をすることができます。
今回は自宅でも簡単にできる発声練習の方法をご紹介していきます。
目次
発声練習で効果でがあるの?本当にカラオケ上手くなる?
発声練習は声優・俳優・歌手・アナウンサーなど様々な「声」を使う仕事をしている人が練習する声のトレーニングです。
しかし「声」は声優やアナウンサーなどの仕事に関わらず誰もが毎日使うスキルで、声を自在に操ることができれば様々な効果(メリット)が得られます。
得られる効果は沢山あるのですが今回は7つ項目別に紹介していきます。
音域が広がる
「高い声を出せるようになりたい」
このように思っている人は力みすぎて喉が閉まっていたり息を吐きすぎて喉を傷めてしまっている可能性があります。
本来高い声は時間はかかりますが練習すれば誰にでも出すことができるのですが、もともとの声質によって出しやすい人と出しにくい人とで分かれてしまうのです。
音域を広げるトレーニングとしては腹筋を鍛えたり腹式呼吸など様々なものがありますが、大切なのは喉を開きリラックスをして発生することで綺麗な高音を出すことができます。
カラオケで上手く歌えない人の悩みの中でもトップである「音域」を広げるだけでもかなり歌唱力が上がるはずです。
声量がアップする
歌が上手になるポイントとして「声量のコントロール」ができることも大切です。
高音から低音や声を張り上げたり抑えたりなど声のコントロールができることも歌唱力を上げるためには必須の技術ですよね。
声が小さい人の特徴としては
- 姿勢が悪い
- 口が大きく開いていない
- 腹筋が弱い
- 腹式呼吸が上手くできていない
このような要因が考えられます。
声量を上げるためには腹式呼吸をマスターして上手に腹筋や横隔膜を使えるようになると自然と声量が上がります。
ただ大声を出すのではなく、声量アップは良く通る声を出すことにも繋がるので高音を出すときなどに活躍するテクニックではないでしょうか。
声の持続力が上がる
曲によっては長く息を吐き続ける節があるものもありますがなかなか息が続かないことありませんか?
「なんでそんなに息が続くの!?」
なんて思ってしまうことも結構あります。
声の持久力を上げるためには体の余分な力を抜くことや、単純に肺活量を鍛えることが必要になります。
その為にはあとで詳しく説明しますが「ロングブレス」や体力をつけるのが声の持続力を上げるための近道になります。
長く声をもたせるトレーニングは直ぐに上達することは難しいのですがこのテクニックを使えるだけでも友達に
「おっすごい!」
と思わせることはできるはずです。
滑舌が良くなる
滑舌とは上手に舌や口を動かしてしっかり相手に聞き取りやすい発音をしているという意味です。
説明の通り口の動きや舌の動きがきちんとしていることが聞き取りやすい発音に繋がるのですが、滑舌が悪いと相手に自分の意見がしっかり伝わらないという弱点が生まれてしまいます。
発声練習では母音をしっかり強調しながら発音する練習をするので舌の使い方や口の動かし方が自然と身に付きます。
その他にも舌の筋肉を鍛えたり割り箸を使って表情筋を鍛えたりするのも滑舌を良くするためのトレーニングになります。
滑舌は歌のみではなく日常会話でも使うものですし、滑舌の良し悪しでその人の印象って結構変わってくるんです。根本的な部分ではありますが一度見直してみましょう。
喉がいたみにくくなる
友達とカラオケに行って長い時間歌っていると喉が痛くなることってありませんか?
これは歌うときに喉が閉まって負担がかかっていたり無理に高い声を出したりすることで喉を痛めてしまうのです。
発声練習では喉を開く練習をすることで喉に無駄な負担がかかることなく発声することができるようになっていきます。
歌を歌うにあたって喉を痛めてしまっては元も子もありませんよね。歌手の人も一番大切にしているのが喉のケアです。
喉や声帯に負担がかからないように気をつけることも歌の上達には欠かせません。
声を自由にコントロールできる
声をコントロールできるということは表現力にもつながっていきます。
声は「自分の感情」や「気持ち」を表現するツールでもありますよね。例えば明るい歌だと元気に、バラードだと静かに歌うなど声に抑揚をつけることによって歌唱力も上がっていきます。
声をコントロールするには日々のトレーニングが大切になってきます。
滑舌やアクセント、抑揚、リズムなどを日頃のトレーニングで意識することによって声をコントロールすることができるようになっていきます。
ダイエット効果
発声練習をすることによって「ダイエット効果」があるなんて意外かと思われる人もいるかもしれません。
しかし発声練習の時に行う腹式呼吸やロングブレスによってインナーマッスルや腹筋などを鍛えることができるので代謝が上がり、ダイエットに繋がります。
発声も良くなり歌も上手になるし、ダイエット効果もあるとなるとかなり嬉しい効果ですよね。
発声練習の基礎トレーニング4選
まず初めに発声練習の土台を作るところから始めましょう。いわば発声練習を始める前の事前準備です。
実際に後でお話しするロングブレスやリップロールなどは発声の基礎がしっかり出来ていないとうまくできません。
実践に入る前のウォーミングアップとしてこれから紹介する4つの方法をやっていきましょう。
姿勢を整える
上記の「声量がアップする」の項目で声が小さい原因としてもお話ししていた姿勢についてです。
姿勢が悪いとどうしても声がこもってしまいますよね。それに体に余分な力が入ってしまって喉が固く閉まってしまうことがあります。
そうすると喉を痛めてしまったり声が小さくなるなどのデメリットがうまれてしまうのです。
しかし、姿勢がいい状態ならどうでしょうか?
姿勢を正すと腹式呼吸がしっかりとできるのでお腹に力が入りやすくなります。そうすると姿勢がいいだけで声量があがり、声のキーが上がるのです。
発声練習をするまえには必ず姿勢を整えるように心がけましょう。
姿勢を正す方法としては
・壁に踵や背中をぴったりとくっつけて顎を少し引く方法にお尻にキュッと力を入れる
この方法だと姿勢をキープしやすくなります。
他にも、肩甲骨を伸ばしたり縮めたりする方法や腹筋と背筋を鍛えるのも猫背を治すには有効です。スマホを触っている時や歩いている時も姿勢に気を配るようにしていれば自然に姿勢は改善されていきます。
表情筋のストレッチや滑舌・発音の改善
表情筋のストレッチは声の響きや抜けが良くなるストレッチです。
やり方としては「あ・い・う・え・お」を大きく口を動かして言うだけです。この時のポイントとしては「あ・い・え」は口角をあげながら、「う・お」はくちをすぼめて動かすことです。
このストレッチをするだけでかなり発声がしやすくなります。慣れるまでは筋肉痛になったりすることもありますが毎日少しずつでも続けてみましょう。
そして滑舌と発音のトレーニングですがこのトレーニングでは舌の筋肉を鍛えることができるのではっきりとした発音をすることができるようになります。
やり方としては五十音をしっかりお腹から声を出して口の形を確認しながら言っていきます。最初は鏡で口の形を確認しながら進めた方がいいでしょう。
これができれば次は五十音をテンポよく言ってみる。それもできれば次は早口言葉。
このように段階を踏んでトレーニングしていきましょう。
滑舌・発音・表情トレーニング全てのトレーニングで口を大きく開くことを意識しながらトレーニングしていきましょう。
呼吸法のトレーニング
発声練習をする際に最も大切なのが腹式呼吸です。
呼吸は大きく分けて2つあり、それが腹式呼吸と胸式呼吸です。腹式呼吸は主に寝ている時に行われる呼吸でお腹を使ってする呼吸です。
それに対して胸式呼吸は息切れしたときなどに行われることの多い肩で息をする呼吸です。
腹式呼吸ができるようになると声を一定に保つことができたり、腹筋が付くので声量も上がります。
他にも呼吸法をマスターすることで音域が広がったり息が長く続くようになったりと発声の基本となる部分をより強化することができるようになります。
腹式呼吸のやり方は
- 背筋を伸ばしてお腹を膨らませながら息を吸う
- 数秒間息を止める
- お腹をゆっくりへこませながら息を吐きだす(この時息を吸った時間の倍くらいの時間をかけて息を吐く)
- ①~③を繰り返す
腹式呼吸は発声練習をする上で欠かせない技術になるのでしっかりと身に着けておく必要があります。
腹式呼吸はやり方だけ見ると簡単な呼吸法のようなのですが呼吸に集中すると結構疲れます。最初の内は発声練習の時だけではなくて一日のうち気が付いたときに練習をしていくと上達が早くなります。
喉を開くトレーニング
自由に喉が開くことができるようになると良く響く声が出せるようになります。しかし喉を開くといわれてもいまいちピンとこない人も多いかもしれません。
喉が開かれている状態は舌が下に下がっている状態を指します。簡単に言うと欠伸をしている時が喉が開いている状態です。
喉を開くトレーニング方法は
- 喉の余計な力を抜く
- 喉仏の場所を把握する
- 口の奥に空洞を作るために軟口蓋を上げて喉仏を下げる
- 喉が開かれたら「あーーー」と発声してみる
軟口蓋とは簡単に言うとのどちんこの根元のあたりのことを言います。
引用:一歩一歩学ぶ生命科学
しっかりと喉を開くことができれば喉や声帯を傷つけることなく高音を出すことができたり、良く通る声を出すことができるようになります。
喉を開くトレーニングをする時はリラックスして行う事がポイントです。肩の力を抜いてトレーニングしましょう。
さらに上達するためのトレーニング4選
上記でお話しした発声練習の事前準備が終われば次はいよいよ実践的なトレーニングを行っていきます。
これからご紹介するトレーニングは事前準備で練習した基礎の応用編です。
では代表的なトレーニングを4つご紹介していくので実際にやってみましょう。
タングトリル
タングトリルは高音を綺麗に出すための定番のトレーニングでアナウンサーや舞台俳優なども練習したりします。
タングトリルの効果はこのようなものがあります。
タングトリルの効果
・舌のマッサージ効果
・高音と低温のコントロールができる
・声帯近辺の筋肉をマッサージする効果
・喉を開く練習
・音程を正確に取れるようになる
これからご紹介するリップロールとタングトリルは効果が似ているトレーニングとなっています。
ではタングトリルのやり方がこちらです。
- 少し口を開ける
- 舌を前歯の裏に置く
- 舌をふるわせながら息を吐く
電話の呼び出し音のような「プルルルル」という音が出れば成功です。
タングトリルは結構難しいのではじめはなかなかできない人が多いかもしれません。その場合は舌の位置を変えて試してみたり、息を吐く量を調整しながらチャレンジしてみてください。
リップロール
リップロールもタングトリルと同様に高音を綺麗に出すためのトレーニングです。リップロールでは息を一定の量吐くことを意識してやってみましょう。
リップロールの効果は高音を出す以外にもこのような効果があります。
リップロールの効果
・表情筋や唇をリラックスさせる
・音程を正確に取ることができる
・声帯にある筋肉のマッサージ効果
・喉を開く練習
・呼吸のコントロールができるようになる
様々な効果のあるリップロールのやり方がこちらです。
- 唇をリラックスさせる
- 少し唇を前に突き出す
- 鼻から息を吸い込んで唇を震わせながら「プルプルプルプル」と息を吐く
リップロールはできる人とできない人が極端に分かれてしまうのですがリップロールができない人は息を吐く量を調整してみたり頬を手で上に引き上げながらやってみるとリップロールができやすくなります。
音階発声
音階発声とは楽譜を組み立てる音階に沿って発声するトレーニング方法です。このトレーニングでは発声や音感を鍛えることができます。
使用する音階は「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ファ・ミ・レ・ド」です。音階発声のやり方は
- 喉の力を抜いてリラックスする
- 音階を「ド」から順に半音ずつ限界まで発声していく
- 限界まで発声できれば今度は半音ずつ下がっていく
音階発声はリップロールやタングトリルとは違ってかなり難しいトレーニングです。可能であればピアノの音に合わせて発声練習を行う事をおすすめします。
ピアノが無い人向けにYouTubeに練習用の動画もあげられているので活用してみてください。
ロングトーン
ロングトーンはほとんどの曲で最後に歌声を伸ばす部分があるかと思うのですがその歌声を伸ばすことを「ロングトーン」と言います。
歌を歌うにあたってこのロングトーンは必ず必須の技術になってきます。ロングトーンの効果にこのようなものがあります。
ロングトーンの効果
- 喉を痛めにくい
- 肺活量が格段に上がる
- 一定に伸びる高音を出せるようになる
ロングトーンのやり方はこちらです。
- 力を抜いてリラックスする
- 「あーーーー」と一定の音量・音程・強さで息を吐きながら発声する
初めは10~15秒から始めていき徐々に時間を伸ばしていきましょう。何度やっても息が持たなかったり上手く発声できない場合は
- 息の吐きすぎ
- リラックスしながら出来ていない
- 腹式呼吸ができていない
などの原因が考えられるので一度見直してみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は自宅でできる発声練習についてご紹介しました。
発声練習は最初は難しく感じる人も多いかもしれませんが基礎から一つずつ身に付けることができれば実践練習でご紹介した応用練習も必ずできるようになっていきます。
発声練習を続けていればカラオケに行っても怖いものなしになるはずです。
発声練習は今日やって明日マスターできるような簡単なものではないですが、今まで出せなかった音域を出せたり声量がアップすることによって歌うことがきっと楽しくなります。
是非ご紹介したトレーニングにトライしてみてください。