「オーディションの履歴書で自己PRとあるけれど、何を書いていいのか分からない」
「アピールするポイントはなんとなくあるけれど、どうやって書いたらいいのだろうか」
この記事を読んでいる方の中には、そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、オーディションの履歴書における自己PRの書き方について、
・そもそも自己PRとは?
といった押さえておきたい基本のところから、
・自己PRで書くためのアピールポイントの見つけ方
・自己PRの書き方
・自己PRに関するよくある疑問
についても解説していきます。
この記事を読んで、早速自分の自己PRに生かしてみましょう。
目次
自己PRとは?
オーディションだけでなく、就職活動や転職活動においても避けては通れないもの、それが自己PRです。
具体的には、
・自分がどういう人間であるか
・自分はどういう点が強みとしてあるか
・その強みを生かしてどうしていきたいか
などの内容を盛り込み、審査員にアピールします。
そうすることで自分という人間に興味を持ってもらい、書類選考の次のステップである"面接"に繋げることが大きな目的となります。
それゆえ、履歴書やWeb応募フォームには、「志望動機」と並んで必ず「自己PR」の欄も設けられているのです。
オーディション応募者側にとっては
「自分が(応募先の)事務所にとって、有用な人材であることをアピール」
する格好の機会ですし、
応募者を審査する事務所側にとっては
「この応募者が、果たして本当にうちの事務所に適しているだろうか」
ということを判断する大きな材料となります。
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オーディションの自己PRを書くためのアピールポイントの見つけ方
自己PRでは、「自分の強みを審査官にアピールする」ということがわかったところで、
その"アピールポイント"はどのように見つければ良いのでしょうか。
「自分は、どんな人にも公言できる大きな強みを既に持っている」
「自分の強みは、既にはっきりと自分でわかっている」
という方であれば問題ないのですが、そうは言っても、どんなところをアピールポイントにするかは悩みどころですよね。
そんな方は、次の4つのトピック、
・趣味や特技
・今までの経験
・自分の好きなこと
・人からよく言われること
から、自分のことを掘り下げて考えてみましょう。
まずは何も考えず、思いつくままに羅列していきます。多ければ多いほど良いでしょう。
それでは、一つ一つ詳しく見ていきます。
趣味や特技
自分の特筆すべきことは、趣味や特技によく表れている場合があります。
例えば、読書が趣味の場合。
なぜ読書が好きなのか、理由は様々にあるかと思いますが、例えばその一つとして
「読書をすることで知らないことを知ることができ、自分の世界が広がる」
とすれば、"広い視野を持って物事に取り組みたい"というアピールに繋げることが出来ます。
思いつく限り、たくさん書き出して見ましょう。
今までの経験
学業や部活動、今までにあった大変だったこと、難しかったことなど、何でも構いません。
その時、物事に対して自分はどのような姿勢で臨んだのか、気をつけた点や意識した点などを思い出してみましょう。
例えば、誰もが経験する学校のテスト勉強を例にとってみると、分かりやすいでしょうか。
一般的には、試験日の2週間ほど前になると、該当のテスト範囲が公開されますよね。教科書の何ページから何ページまで、といった具合に。
その時、試験勉強の計画を練って、毎日少しずつコツコツと勉強し、試験前日は既に勉強が終了しスッキリした状態で臨むのか。はたまた試験前日に徹夜してフラフラになりながら試験に臨むのか。
当然ながら、前者のような勉強方法が理想ですよね。
この場合、
「計画を練って、コツコツと粘り強く努力することが出来る」
と、大きなアピールポイントになることは間違いありません。
自分の好きなこと
自分の好きなことをひたすら書き出す方法です。
食べ物やお気に入りのカフェ、好きな本や映画など、何でも構いません。
書き出したら、
「なぜ自分が、それを好きなのか」
について思いを巡らしてみましょう。
例えば、映画の場合。
「この作品に登場する、〇〇という俳優さんの演技が、非常に見応えがあって憧れている」
「この作品のストーリーが、人間味溢れる温かな構成で、見ていてとても幸せな気持ちになる」
など、自分の目指す演技の方向性をアピールするのにも、うってつけですね。
人からよく言われること
「他の人から、自分についてどのように言われるのか」から、客観的に自分の強みを探っていく方法です。
例えば、
・統率力がある
・思慮深い
・いつも周りを思いやっている
・冷静
・面倒見が良い
など。
このような性格的気質を表す言葉は、"他人から見たあなた"をよく反映していると言えます。
思い出せない方は、自分の友人や家族などに、この際思い切って聞いてみましょう。
「へぇ、自分って実はこんな風に見られていたんだ」
「実はこんな長所があったんだ」
と、思いがけない発見につながるかもしれませんよ。
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オーディションの履歴書での自己PRの書き方の順序
自分のアピールポイントが見えてきたところで、次は実際に文章へ落とし込んでみましょう。
構成としては、
①結論
②理由
③具体的エピソード
④将来
この順序通りに書いていくと、綺麗にまとまります。
順に見ていきましょう。
結論
「一番最初に結論から話す」というのは、オーディションに限った話ではなく、ビジネスの世界でもよく言われていることです。
結論を最初に持ってくることで、「話し手がこれからどのような話をしようと思っているのか」話の全体像が明白になり、聞き手にとっても内容がすんなりと頭に入ってきやすくなります。
ですので、自己PRにおいても、まず最初に「自分の強みは〜です」と言い切ってしまうようにしましょう。
理由
自分の強みが何であるか相手に示したら、次に書くべきはその根拠、すなわち理由です。
というのも、その強みを裏付ける根拠が無ければ説得性に欠けてしまい、胡散臭く思われてしまうからなのです。
例えば、
「自分の強みは努力家であることです」
とだけ言われても、はっきりした理由が示されていなければ、受け手にとっては
「本当なの?」
と、その真偽が疑わしく思われてしまいますよね。
「なぜそれが、自分の強みであると断言できるのか」
その根拠は必ず提示するようにしましょう。
具体的エピソード
上記で、「理由を示すことの大切さ」について書きましたが、その上で役立つのが「具体的エピソード」です。
学校や部活動・今までの経験でどのような課題にぶつかり、どのような行動を取ることで、どのように改善されたのか、実体験のエピソードを交えて書くと、非常に説得力のある中身の濃い文章となります。
例えば、学校の部活動で、チームメンバーの基礎力が低いことを課題に感じ、練習プランの見直しをしたとします。
「通常30回だったメニューを、50回に増やし、試合本番までの1ヶ月毎日同じメニューをこなした結果、試合で好成績を残すことができた」
と、数字をたくさん盛り込むことで、より定量的かつ判断しやすいデータとなりますね。
具体的なエピソードを書く時は、数字を意識し、誰が読んでも納得のいくエピソードとなるよう、意識するようにしましょう。
将来性
自分の強み、そしてそれが確かであるという根拠と具体的なエピソードを書いたら、
"その強みを、自分の将来どのように活かしたいか"
について言及し、締めくくりましょう。
明確にイメージ出来ていない場合は、もう一度自分の強みについてまとめを書く、という方法もあります。
ですが、せっかく提示した自分の強みを、将来やりたいことや挑戦してみたいことと繋げて書くことができれば、
審査官も
「お、この人は自分のことを客観的に捉えられている」
とプラスの評価をもらえるかもしれません。
自己PRの例文
それでは、上記で解説した事項を踏まえて、例文を作ってみましょう。
本記事では、
1. 「計画的に粘り強くコツコツと努力すること」
2. 「リーダーとしてチームをまとめ結果を出すこと」
これら2つを強みとしてアピールする場合の例文を考えてみます。
「計画的に粘り強くコツコツと努力すること」を強みとした場合
例えば、強みが「計画的に粘り強く努力すること」であり、その強みによって語学で良い成績を残すことが出来たとしましょう。
例文は、例えばこのようになります。
「私の強みは、何事にもまず計画を立て、粘り強くコツコツと努力することです。
そのことにより、例え時間はかかっても、目標を達成することが出来ました。
具体的には大学時代、TOEICのスコアを前回よりも200点もアップすることが出来ました。
私が苦手意識を持っていたのは特にリスニングとスピーキングであるため、
リスニング力をつけるため通学中は毎日必ず英語の会話文を聞き、
スピーキング力の強化にあたっては週に3回は1〜2時間のスカイプ英会話を実施する、ということを半年間続けた結果、
スコアが前回よりも200点もアップし、800点台を取ることが出来ました。
この、自分の強みである「何事にもコツコツと粘り強く努力する」ことを生かし、
与えられた役割には人一倍努力して自分にできることは全て出し切り、地に足をつけて活躍の幅を広げていきたいです。」
このような文章になりました。
「私の強みは〜です。」の最初の一文は、構成でいうと①の結論にあたり、
次の「そのことにより〜出来ました。」が②の理由、
「具体的には〜800点台を取ることが出来ました。」が③の具体的エピソード、
「この、自分の強みである〜広げていきたいです。」が④の将来性にそれぞれ当たります。
このように、構成に従いながら文章を作っていくと、かなり説得力のある自己PRが出来上がりましたね。
結論から入っているので、審査する側にとっても非常に分りやすい内容となっています。
「リーダーとしてチームをまとめ結果を出すこと」を強みとした場合
それでは、もう一つ例文を考えてみましょう。
「リーダーとしてチームをまとめ結果を出すこと」を強みとし、その結果大学時代に陸上部で良い結果を残すことが出来たとします。
例文は、次のようになります。
「私の強みは、リーダーとしてチームをまとめ、結果を出すこと」です。
その理由としては、大学時代に所属していた陸上部を、大学としては初の全国大会へ導いたことが挙げられます。
当時、陸上部はあまり強くなく、部員一人一人の士気も低い状態でした。
そのため、キャプテンに就任した私は、まずは「なぜ陸上をやるのか」という目的意識をはっきりさせ、部員一人一人と向き合うところから着手しました。
そして、規則正しい生活を心がけさせ、「練習に部員がきちんと参加する」という基本的な環境を構築。これには約3ヶ月もかかってしまいましたが、その上で練習メニューを強化。
基礎練習の量を倍に増やした他、単独での練習になってしまいがちな練習を相互にアドバイスをもらえるようにしたところ、チームに和気藹々とした雰囲気が流れ始めました。
就任から半年ほど経った頃、地区大会に選出され、県大会にも出場、そして最終的には全国大会に出場できるようにもなったのです。
部員の皆からは感謝され、「’(私が)いなければ、今の自分は無かった」と、言ってもらえるようになりました。
将来は、学生時代に培ったチームマネジメントの方法を強化し、皆で一つのものを作り上げる難しさと楽しさ、達成感を常に忘れず、協力して素晴らしいものを作っていきたいと思います。」
「私の強みは〜ことです。」までが①の結論、
「その理由としては〜が挙げられます。」が②の理由、
「当時、〜言ってもらえるようになりました。」が③の具体的エピソード、
「将来は〜いきたいと思います。」が④の将来性にそれぞれ当たります。
最初の例文と比較すると数字的根拠は少ないですが、部員からの証言なども盛り込み、信ぴょう性のある自己PRになっていますね。
エピソードは、具体的であればあるほど説得力が増しますので、
構成順序を守りながら、「なぜ自分はこれが強みであると言えるのか」を積極的にアピールしましょう。
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自己PRを書く際に気をつけるポイント
自分の強みの見つけ方、書き方が理解できたところで、
実際に書く上で気をつけたいポイントについてご紹介します。
具体的には
・自分の強みは一つに絞る
・誰が聞いても"当たり前"と思うような内容は避ける
・オーディションごとに自己PRの内容は変える
この3つになります。
順に見ていきましょう。
自分の強みは一つに絞る
自分の強みが、たくさんあるという方、素晴らしいことですね。
ですが、履歴書においてはいくつも取り上げず、そのうちの一つに絞って書くようにしましょう。
というのも、幾つもたくさん書いてしまうと、この中で何を一番アピールしたいのかがわかりづらくなってしまい、結果的にどの内容も浅く、薄い内容になってしまう恐れがあるからです。
そうなってしまうと、受取手である審査官への訴求力も弱くなってしまいますよね。
たくさん書いてたくさんアピールしたくなる気持ちもわかりますが、
"その事務所が注目してくれそうな"自分の強み一つに、絞るようにしましょう。
誰が聞いても"当たり前"と思うような内容は避ける
例えば
「私の強みは、物事に一生懸命に取り組むことです」
「指示には素直に従います」
など。
上記の例は極端ですが、"守ってもらわなきゃ困る"というような内容は避けるようにしましょう。
オーディションにめでたく受かれば事務所の看板、1人の社会人として社会へ羽ばたくことになるわけです。
それぞれがお互いに気持ちよく生活するため、
最低限言われたことはきちんと従うなどの姿勢は、社会人たるもの当然のことですね。
このようなことは、わざわざ文章にするまでもないことですので、
あえて履歴書に書いてしまうと、「非常識な人だ」と思われてしまう可能性もあります。
このような当たり前のことは避け、あなたの個性が伝わるような強みを書くようにしましょう。
オーディションごとに自己PRの内容は変える
「履歴書がなかなか通らない」
「いつも書類選考で不合格になる」
という人の中には、いつも同じ志望理由・自己PRを使い回している方がいます。
確かに、履歴書やWebフォームにこれらを記入(入力)することは結構大変かもしれませんが、
手を抜いている志望動機・自己PRは、何千・何万もの応募書類を見てきた審査官にとって、すぐにバレてしまいます。
事務所が違えば、それだけ事務所の個性や、求めている人材も異なってきますので、
自分が応募する事務所については事前に調べた上で、
改めて自分の強みがその事務所にとってアピールポイントとなるかどうか、確認するようにしましょう。
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自己PRに関するよくある疑問
「何でも頑張ります」は評価される?
自分の強みとして、
「何でも頑張る」
「どんなことにも誠意をもって対処する」
と書く方がいますが、審査官へあまり良い印象を残せる、とは言えないかもしれません。
もちろん、その方なりの誠意とやる気を見せようとして書いたのだと思いますが、
そのように書かれていればいるほど、審査官にとっては
「口先だけの人なのではないだろうか?」
と、疑り深く思われてしまいかねません。
また、実際にそのように出来れば良いのですが、
自分のキャパシティを素直に見極め、できない時はできないと言うことも、マナーの一つ。
自分で自分のハードルを上げてしまい、結果
「大口を叩いていたのに、やっぱり出来なかった」
と言われ、自分の首を絞めてしまわないよう、
「なんでもやります」とは言わない方が懸命であると言えます。
人に言えるほどの強みでもないが、大丈夫?
最初のステップで、自分の強みをどのように見つけるかご紹介しましたが、
「やはり自分の強みは、他の人と比べると大したことがないのではないだろうか」
「こんなものが、強みと言えるのだろうか」
と心配されてしまう方もいるかもしれません。
結論から言うと、全く問題ありません。
もちろん、それが人として「当たり前」のことであれば、違う内容に書き改めるべきですが、そう出ない場合は、堂々と自信を持って自分の強みをアピールしましょう。
十人十色という言葉があるように、
他の人と同じ内容である必要はありませんし、
人それぞれに違った個性・強みを持っています。
特に芸能界という世界では、その個性が生き残る上での切り札となってくる側面も大きいので、
臆することなく、堂々と自分の強みを言葉に表しましょう。
本記事のまとめ
いかがでしたでしょうか?
オーディションの履歴書の書き方で大切な、自己PRについて、ご紹介しました。
<本記事のまとめ>
・履歴書における自己PRとは、書類選考を突破し、面接に進むための重要なポイント
・自分の強みは、趣味や特技、今までの経験、自分の好きなこと、人からよく言われることから掘り下げて考えてみると良い
・自己PRの書き方は、結論→理由→具体的エピソード→将来性 の順に書くと綺麗にまとまる
・自己PRを書くときには、強みは一つに絞り、誰が聞いても"当たり前"と思うような内容は避け、オーディションごとに自己PRの内容は変えるようにする
自己PRを書くうえで大切なポイントを押さえ、審査官の印象に残る自己PRにしましょう。