すでに声優養成所や専門学校に通っている人や、これから通おうと考えている人も、
「卒業後本当に声優になれるのかな?」
「そもそも卒業後にどんな流れで声優になれるんだろう?」
「もしなれなかったらどうなるの?」
といった不安があるのではないでしょうか?
この記事ではそういった人に向けて、
・卒業後のプロ声優までの流れ
・声優になれなかった場合の別の未来
など詳しく説明しています。
事前に知っておいて少しでも不安を解消しておきたい!!という方はぜひ参考にして下さい。
目次
卒業後の目標は声優になること!
やはり声優の専門学校や養成所に行くのですから、ゴールは声優になることです。
チェレンジする前から、なれなかったらどうしようと悩んでいては、スタート地点に立つことすらできません。
まずは、声優になるための情報を再確認してみましょう。
声優になれる確率はどのくらい?
一言で確率というと、たくさんの養成所や専門学校があり、その中で声優の登録名簿などがないので正確な数字で表すのはかなり難しいようです。
あるところでは、毎年8000人近くが声優を目指し、生き残れるのはほんの数人という説があります。その場合1%にも満たない数になります。
また、現声優さんの話では、実際に所属できるのは1万人に1人くらいとの情報もあります。
その他、養成所や専門学校の情報では、卒業後声優になった人は3%~5%とも言われています。
確率に幅があるのは、実際に人気声優として一線で活躍している方から、取りあえず所属はできたが、食べていけるほどの仕事はなくバイトで生計を立ててる声優さんや、途中でやめる方もいるのでその違いのようです。
3%~5%ですと、30人に1人か20人に1人です。なのでこの確率ですと、1クラスに1名いるかいないかというイメージです。
もし、あなたがクラスの中でトップになれれば、声優になれる可能性はあるといってもいいでしょう。
声優になるまでの道のり
では、まずその3%~5%に生き残るための方法を考えてみましょう。
声優になるためには、学校や仕事をしていても通うことができる養成所に入所する道と声優の専門学校に入学する方法がありますが、いくつか違いがあります。
大きな違いの一つは、養成所は直属のプロダクションのオーディションしか受けられませんが、専門学校は色々なプロダクションのオーディションを受けることができます。
専門学校は、中学卒業後入学した場合、高校卒業資格も得られる学校もあります。また、高校や大学卒業後に行くこともできます。
では、養成所や専門学校卒業後はどうなるのでしょう。
声優専門学校卒業後の場合
・卒業オーディションで評価されるとプロダクションに所属できデビュー
・在学中でもオーディションを受け合格したらプロダクション所属しデビュー
・所属できないまま卒業してしまったら声優の道を諦め就職活動
・所属できないまま卒業しても諦めきれなければ養成所へ
・所属できないまま卒業しても、劇団などに所属し所属オーディションを受け続ける
養成所の場合
・入所オーディションに合格して通所、半年~1年後進級試験
・進級試験に合格し訓練を続けオーディションに合格できればプロダクションに所属しデビュー
・進級試験に合格できなければ退所
・退所後、声優の道を諦めて就職活動
・退所後、声優の道を諦められず他の養成所へ
・退所後、これまでの訓練を生かして劇団などに所属し再起をねらう
1,2度失敗しても諦められない人は、養成所をはしごしながら訓練を続ける方もたくさんいるようです。
プロダクションは、たくさんありますから、その中で求めている人材もさまざまです。
なので、自分の個性を必要としているプロダクションに巡り合えるまで、他の養成所、また次の養成所へとチャレンジを繰り返す方も多いようです。
このように色々な道がありますが、養成所や専門学校により応募条件があるので、自分にあった形を選択することが大切です。
たくさんのオーディションを受けよう
絶対に声優になると決めたら、色々な方面からチャレンジすることも必要です。
専門学校や養成所の入所オーディションの他、声優事務所のオーディションやアニメ作品や映画などの声優募集のオーディションを受けることもお勧めします。
常に情報収集を怠らず、色々な面からチャンスを掴み取ることです。
審査員に「あれ、以前どこかのオーディションで見かけた子だなぁ」と思ってもらえたら、そこから道が開けるかもしれません。
専門学校や養成所に入所してからは、校内オーディションや養成所系列のプロダクションのオーディションを受けることになりますが、オーディションの数が多いのは専門学校です。
声優養成所、専門学校を出ても声優になれなかったら・・・
どんなに一生懸命頑張っても、オーデションに合格しプロダクションに所属できなければ声優にはなれません。
先ほど、声優になれる確率の所で、20~30人に1人いるかいないかと紹介しましたが、では、声優になれない残りの29~19名は、果たしてどうしたらいいのでしょうか。
厳しい言い方をしますが、やはり声優の道は諦めるしかありません。
養成所や専門学校は費用がかかりますから、自分の中でここまでやって駄目だったら諦める、といった目安も考えておく必要があります。
声優になれなかった人は何をしているの?
声優専門学校や養成所では、表現力や演技力、コミュニケーション能力などを学び、正しい発声や滑舌、発音なども勉強するため、もし声優になれなくても、その経験を生かす道はあるかもしれません。
では、実際にどんな職業についているか検証してみましょう。
一般企業
専門学校には、一般企業からの求人もきます。正社員や契約社員、フリーターなど様々ですが、在学中に少しでも多くの資格の取得があったら有利といっていいでしょう。
また、最近でも就職難であることは確かですから、やはり高卒より大卒の方が有利です。
仕事を探すためにハローワークに通うのはもちろんですが、資格を取得できる公的職業訓練を受けることもできるので、声優になれなかった悔しさを全く違う道にぶつけてみるのもいいかもしれません。
デパートなどの店内放送や簡単な司会者
声優業界とは全く違いますが、声優で勉強した声のトーンやしゃべしり方、発音、発声、表現技術などを生かして、話す仕事にチャレンジすることもいいでしょう。
プロのアナウンサーや司会者になれる可能性は低いですが、派遣司会者などに登録したり、結婚式の司会や地域の小さな講演会の司会など、少しずつ実績を積み上げ仕事を増やしていくこともできるでしょう。
ネット業界
声を生かしてYouTubeなどの動画で解説やアナウンサーなどで活躍される人もいるようです。
舞台俳優や劇団へ
声優は、演技力も求められますから、勉強の中で舞台の経験をすることがあり、そのまま舞台俳優になる人も多いようです。また、養成所に入所できずにいる人が、再チャレンジするために劇団に入って経験を積み、再起をはかっている人もいるようです。
ボイストレーナー
声優になるために学んだ発声、発音、表現力が身に付いていて、その上魅力ある声を持っているなら、それを生かしてボイストレーナーの道もあるようです。
イベントディレクター
マスコミやビジネス関係の情報や知識が必要なので、養成所などで芸能業界に近い勉強をした場合、なれる可能性はあるようです。ただ大学で学ぶイベント企画会社や広告代理店などの知識も必要なので、大学卒でなければ難しいでしょう。
その他、フリーターや水商売、結婚など、声優の道からかなり遠ざかってしまった人も多いようです。また、養成所に通っている時にしていたアルバイト先にそのまま就職する人もいるようです。
声優専門学校や養成所では一般企業への就職は不利
最近は、学歴より実力社会になってきたと言われていますが、高校卒業はもちろん大学卒業であっても一般企業への就職は簡単ではありません。
また、高校を卒業後養成所に通っても最終学歴は高卒ですし、特殊な声優の勉強を就活に生かす事はかなり難しいでしょう。
ですから、声優になれなかった時の対策は、事前によく考えておくことをお勧めします。
専門学校であれば、履歴書を書く際学歴の欄に記入することができます。また、専門学校によっては音響の資格取得や声優周りの資格や、ビジネスマナー検定を取得できるところもあるので、別の道に進む場合は、養成所より有利といっていいでしょう。
まとめ
厳しい現実をご紹介しました。
・声優の専門学校や養成所を卒業しても、声優になるのは難しい
・声優としてずっと仕事を続けていくことも簡単ではない
・夢を諦める時のタイミングも考えておく必要がある
・声優になれなくても、発声や発音、表現力など学んだことを生かす職業もある
・声優を諦め就活する時は、大学卒業が有利である
もしあなたが大学へ行ける環境にあるなら、声優になってもなれなくても、大学へ行くことをお勧めします。
大学生活は、自ら選択して多くの経験ができる時間です。その経験はどんな道に進んでも活かすことができるでしょう。